創立者永野たけは山里深い故郷(現長南町)に当時としてはモダンな白壁造りの洋風な2階建校舎を新築し、女子に教育はいらないと言われていたこの時代に、『家政の重責を担う主婦たる者、裁縫の芸はもちろん普通の知識を内に蔵した温良柔和な良妻賢母でありたい、そのためには単に小学校教育だけで満足すべきではない』と説いていた。当時から裁縫技術を通して「一人ひとりの個性・能力を発見し伸ばす教育」「情操豊かな人間形成」を教育方針に掲げていた。
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創立者 永野たけ
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長生裁縫女学校校舎
本校は、2019年に創立120周年を迎えました。1899年(明治32年)、創立者永野たけが東京で開いていた裁縫塾を郷土長南町に移し、『長生裁縫女学校』として創設されました。1937年『千葉県長生家政女学校』、1944年『千葉県長生女子農学校』、戦後の学制改革を経て、1948年『千葉県長生家政高等学校』、1964年『長生女子高等学校』、1967年『千葉県長南高等学校』と改称いたしました。
その後、茂原市本納への移転が、1987年、普通科1年生より始まり、1992年の家政科を含む全課程の移動を経て、1994年現校名の『茂原北陵高等学校』と改称し、新たな出発をしました。その間、附属園として1955年、長南町に『長生学園幼稚園』、1976年、四街道市に『千代田幼稚園』、そして千代田幼稚園付属小規模保育園『ちよだっこル-ム もねの里』を2020年に設立し、教育環境の整備に邁進してきました。創立以来、「生徒一人ひとりの個性・能力を発見し、伸ばす教育」と「情操豊かな人間形成」を建学の精神とし、「誠実・創造・協調」の校訓に基づき、創立者の精神を受け継いだ教育活動を実践してきました。
この建学の精神はまったく色褪せることなく現代に通じる理念であります。感受性豊かな子どものうちにさまざまな体験をさせて知的好奇心を育てることに重点を置いた教育活動は地域の方々から高い評価を受け今に至っています。
教育とは未来を創る仕事であると考えます。時代や社会の変化によって、未来を切り拓いていく子どもたちに求められる力は変化しますが、本学園の先生たちは、建学の精神を大切にしながら日々の活動に励んでいます。
150年、200年を目指し、保護者の方々と協力しながら、未来を創る子どもたちと向き合い、お互いが成長していくことを使命の一つとして邁進していく所存であります。
長生学園 理事長永野 卓