茂原北陵高等学校

🎸軽音楽サークル🎸「積雪とインフルエンザとロックンロール」スピンオフ作品「なんとなく」

房総半島が白く染まった2月8日。路肩に乗り上げた故障車を横目に慎重に運転する。どうせノーマルタイヤで運転していたのであろう。今日は君津市民文化ホールと千葉市民会館で3つのバンドが出演する。君津ではCelest Rose.(セレストローズ)が高校ロック生活最後のライブを行う予定である。しかしCelest Rose.のボーカル大塚がインフルエンザにかかり辞退が決まった。大塚の最後の高校ロック生活はあっけなく幕を閉じた。さらに四六時中のスーパー1年生ギタリスト橿渕もインフルエンザに侵される。しかしこれだけでは終わらない。四六時中の世界観を彩るキーボーディスト米倉が前日の降雪により町から出られなくなったため出演を辞退。しかしメンバーは諦めなかった。新部長のベーシスト金坂がなんとかライブに出演しようと試行錯誤。バンドは積雪の中圏央道を走っていく。もちろんタイヤはスタッドレスだ。しかし最悪の事態は一本の電話で起きてしまった。君津のライブが中止となったのである。これでCelest Rose.の高校ロック生活は終わりを告げた。失意の中、メンバーは1年生ガールズバンド🎀ぽくたん隊🎀が出演する千葉市民会館へ向かうことにした。

降雪の中、自力でやってきた🎀ぽくたん隊🎀のメンバー。だが体調不良で前日のリハーサルを欠席した長峯が復活するも絶不調の喉は彼女からボーカルを奪った。そこで四六時中のボーカリスト古川が急遽引き受けることにした。しかし悪夢を見ているかのような連絡が入る。会場へ向かう道中、ギターの石橋が転倒し足を負傷。無念の出演辞退が決まった。そこで白羽の矢が立ったのが、Celest Rose.の3年生ギタリスト今井である。つい先ほど高校ロック生活の終わりを宣告された今井。もうやるしかない。今井はギターを手に取った。ライブ開始まであと1時間である。

ライブは無事に終了。もちろんベストメンバーではなかったから、本人たちは納得のいくパフォーマンスではなかったかもしれない。それでも数々の困難を乗り越えステージに立てたことは誇りに思ってほしい。今日ほどロックンロールな1日はなかったのではないだろうか。Celest Rose.はこれで引退をする。最後のステージに立てなかったことは残念だったが、ここまでたくさんのライブを行ってきた。こんな日もある。それが人生だ。メンバーチェンジも多く不安定な時期もあったが、それぞれのメンバーで出した音は軽音楽サークル史に永遠に刻まれるだろう。

Celest Rose.バンド名の意味は”青いバラ”花言葉は「奇跡」。大輪の青いバラ咲かせたCelest Rose.の奇跡のような高校ロック生活は終わりを告げた。

https://youtu.be/tJo_lR1FQKE

スピンオフ作品「なんとなく」

特に何もするつもりはなかった。でもなんとなく心に空いた隙間も感じてる。

「おい。部活とか決めたんか。」「いや、別に」「ほな、軽音入れや。」「え、、、」「だから軽音入れや。」「あ、はい」なんとなくカッコイイからギターを始めた。「ゆ、指が痛い」「大丈夫や。弾けば弾けるようになる。」

「おい。バンド組めや。」中学の頃からの友達とバンドを組んだ。「おい。ライブ決まったぞ。」「え、でもギターが、、、」「大丈夫や!出たらええねん。」

初めてのステージはあっという間に終わった。緊張して何も覚えていない。「デビューライブおめでとう!よかったやんけ」なんだろうこの気持ち。いつの間にか心に空いた隙間が埋まっていた。なんとなく始まった私の高校ロック生活。少しずつギターが楽しくなってきた。