茂原北陵高等学校

卓球部 「3年間と2週間 2人の3年生」

卓球部は4月22日「団体戦」24日「シングルス」26日「ダブルス」茂原市民体育館で開催された関東大会千葉県予選に参戦した。タイトなスケジュールではあるが、この3日間が3年生にとって最後の大会であり、高校卓球生活の集大成となる日である。本校からは2名の3年生、そして入学したばかりの2名の1年生、計4名で大会に挑んだ。悲願の県大会出場はならなかったものの、選手たちの表情は実に晴れやかなものだった。

主将の大野夢斗は高校入学と同時に卓球に挑戦。当初は経験者との実力差があったものの、コツコツと努力を積み重ねて、実力をつけていった。そして迎えた最後の大会では見事公式戦初勝利を飾った。「僕は高校から卓球を始めました。経験者が打つ予測不能な回転に最初は手も足も出ませんでした。でも合同練習や大会などで、経験を積んでいき実力が身に付いているということを実感しました。最後の最後で公式戦初勝利を手にすることができて、本当にうれしかったです。」そう言い残した大野は3年間愛用し続けたラケットをそっとバックにしまいこんだ。

そしてもう一人の3年生西本光麓はなんと大会の2週間前に入部。実は卓球部に入りたかったが、後悔だけはしたくないという思いから、卓球部の門を叩いた。最初で最後の大会では2年のブランクを感じさせない実力を発揮。なんと初戦を見事突破し、大会初勝利を手中に収め、その勢いのまま奇跡の県大会出場といきたかったが、そう甘くはなかった。「ずっと卓球部に入りたかった。でもなぜか入部する気にはなれなかった。大会では3回戦に進むことができた。勝つたびに、なぜもっと…もっと早く卓球部に入らなかったのだろうという気持ちが強くなってきた。この2週間本当に充実していた。やっぱり僕は卓球が好きだったんだ。」大会を終えた西本の表情には、笑顔と少しの後悔が混じった表情で、ラケットを見つめていた。

3年間の高校卓球生活と2週間の高校卓球生活という真逆の3年生ではあったが、過ごしてきた時間が問題ではない。ラケットを少しでも混じり合わせたのならば、その刹那「仲間」になるのだから。大野は最後にこう言った。

「西本君が来てくれて本当に良かった。本当に楽しかった。ありがとう。」